ポート番号とは?一覧と確認方法をやさしく図解 — IPアドレスとの違い・ソケット

公開: 2026年7月(2026年10月更新) カテゴリ: ネットワーク入門

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「IPアドレスは分かるけど、ポート番号って何のためにあるの?」——ポート番号は、1台のコンピュータの中で「どのサービスに届けるか」を表す番号です。IPアドレスが建物の住所なら、ポートは部屋番号。この記事では、ポートの役割から、主要な番号、送信元ポート、そして接続を見分けるソケットまでを図解します。手を動かすなら ポート番号の可視化 も参考にしてください。

ポート番号とは — 「どのサービスか」を表す番号

データを相手に届けるには、「どのコンピュータか」だけでは足りません。1台のサーバーは、Webサイト・メール・SSHなどを同時に動かせるからです。そこで、「その中のどのサービスに渡すか」を表す0〜65535の番号が使われます。これがポート番号です。宛先は必ず IPアドレス:ポート番号(例 203.0.113.5:443)の形で指定されます。

IPアドレス=建物の住所、ポート番号=部屋番号 🏢 サーバー 203.0.113.5 (住所=IPアドレス) :22 SSH(リモート操作) :80 HTTP(Web) :443 HTTPS(暗号化Web)◀ 届く :25 SMTP(メール) 🖥️ クライアント 203.0.113.5:443 宛て
図1: 同じ建物(IP)でも、ポート番号(部屋)ごとに別のサービスが待っている。443番宛てはHTTPSへ届く

IPアドレスとポート番号の違い

2つは担当する層(OSI)が違い、役割が分かれています。IPアドレスの詳細は IPアドレスの仕組み で解説しています。

IPアドレスポート番号
表すものどのコンピュータ(機器)かその中のどのサービス(アプリ)か
層(OSI)第3層(ネットワーク層)第4層(トランスポート層)
たとえ建物の住所部屋番号・入口のドア
範囲32ビット(IPv4)0〜65535(16ビット)

IPアドレスで「相手の機器」まで届き、ポート番号で「その中の正しいアプリ」へ渡される——両方そろって初めて通信相手が決まります。

ポート番号一覧 — ウェルノウンポートとよく使う番号

主要なサービスには、世界共通でポート番号が決められています。だから https:// と書くだけで、ブラウザは自動的に443番へつなぎます。下の表は、実務と試験でよく出てくる番号を用途別にまとめたものです。

用途ポートTCP/UDPサービス説明
Web80TCPHTTPWebページ(暗号化なし)
443TCP(HTTP/3はUDP)HTTPSWebページ(暗号化あり)
8080TCPHTTP代替開発用サーバー・プロキシでよく使う
8443TCPHTTPS代替管理画面などでよく使う
名前解決・設定53UDP / TCPDNSドメイン名 → IPアドレス
67 / 68UDPDHCPIPアドレスの自動配布(67=サーバー側、68=クライアント側)
123UDPNTP時刻同期
メール25TCPSMTPメールサーバー間の転送
587TCPSMTP(サブミッション)メールソフトからの送信
465TCPSMTPS暗号化したメール送信
110 / 995TCPPOP3 / POP3Sメール受信(995は暗号化)
143 / 993TCPIMAP / IMAPSメール受信・同期(993は暗号化)
ファイル20 / 21TCPFTPファイル転送(20=データ、21=制御)
69UDPTFTPネットワーク機器の設定ファイル転送など
445TCPSMBWindowsのファイル共有
137〜139UDP / TCPNetBIOS古いWindowsの名前解決・ファイル共有
2049TCP / UDPNFSLinux/UNIXのファイル共有
リモート操作22TCPSSH / SFTP / SCP暗号化したリモートログイン・ファイル転送
23TCPTelnetリモートログイン(暗号化なし・非推奨)
3389TCP / UDPRDPWindowsのリモートデスクトップ
5900TCPVNC画面共有
5985 / 5986TCPWinRMPowerShellのリモート実行(5986は暗号化)
1494 / 2598TCPCitrix ICA / CGPCitrixの仮想デスクトップ(2598はセッション画面保持)
認証・運用管理88TCP / UDPKerberosActive Directoryのログイン認証
389 / 636TCPLDAP / LDAPSディレクトリ検索(636は暗号化)
161 / 162UDPSNMP機器の監視(162はトラップ受信)
514UDPSyslogログの収集
1812 / 1813UDPRADIUS無線LAN・VPNの認証と課金
VPN500 / 4500UDPIPsec(IKE / NAT-T)IPsec VPNの鍵交換(4500はNAT越え)
1194UDPOpenVPNOpenVPNの既定ポート
データベース1433TCPSQL ServerMicrosoft SQL Server
1521TCPOracleOracle Database
3306TCPMySQLMySQL / MariaDB
5432TCPPostgreSQLPostgreSQL
6379TCPRedisRedis
27017TCPMongoDBMongoDB

ここに書いたのは、IANA(番号を管理する団体)が割り当てた番号や、各製品の既定値です。サーバー側の設定で別の番号に変えることもできます。

番号の範囲は3つに分かれる

範囲呼び方使われ方
0〜1023ウェルノウンポートHTTP・SSH・DNSなど主要なサービス
1024〜49151登録済みポートデータベースやリモートデスクトップなど、特定の製品・アプリ
49152〜65535動的/プライベートポート通信のたびにOSが一時的に使う番号(送信元ポート)

実際にOSが送信元ポートとして使う範囲は、Windowsでは49152〜65535、Linuxでは多くの場合32768〜60999が既定です。

使用中のポート・開いているポートを確認する方法

「このサーバーで何が待ち受けているか」「相手のポートに届くか」は、トラブル対応で必ず確認するポイントです。自分のPCで使われているポートと、相手のポートに接続できるかは、別のコマンドで調べます。

Windowsで、自分のPCのポートを確認する

:: 待ち受け中(LISTENING)のポートと、使っているプロセスのID(PID)
netstat -ano | findstr LISTENING

:: 443番に関係する接続だけを表示
netstat -ano | findstr :443

:: PIDからプロセス名を調べる(1234の部分を置き換える)
tasklist /FI "PID eq 1234"

PowerShellなら、待ち受け中のTCPポートを番号順に一覧できます。

Get-NetTCPConnection -State Listen |
  Sort-Object LocalPort |
  Select-Object LocalAddress, LocalPort, OwningProcess, @{n='Process';e={(Get-Process -Id $_.OwningProcess).ProcessName}}

# UDPの待ち受け
Get-NetUDPEndpoint | Sort-Object LocalPort | Select-Object LocalAddress, LocalPort, OwningProcess

相手のポートに接続できるか確認する

# Windows(PowerShell):TcpTestSucceeded が True なら接続できる
Test-NetConnection -ComputerName server01 -Port 443

# Linux / Mac:succeeded や open と出れば接続できる
nc -vz server01 443

Linuxで、自分のサーバーのポートを確認する

# 待ち受け中のTCP・UDPポートと、使っているプロセス(プロセス名の表示にはsudoが必要)
sudo ss -tulnp

# 特定のポートを使っているプロセス
sudo lsof -i :443
結果考えられること
自分のPCでLISTENINGになっていないサービスが起動していない、または別のポート番号で動いている
LISTENINGなのに、相手から接続できないファイアウォールで止まっている、待ち受けアドレスが 127.0.0.1(自分自身からしか受けない)
Test-NetConnection が Falseサービスが止まっている、途中のファイアウォールやルーターで遮断されている、名前解決に失敗している

そもそもIPアドレスまで届いているかは ping で確認します。結果の見方とエラー別の原因は pingコマンドの使い方と結果の見方 にまとめています。

UDPは接続の手順(ハンドシェイク)がないため、TCPのように「開いているか」を確実に確かめるのが難しい点に注意してください。

送信元ポート(エフェメラルポート)

ここが見落とされがちな点です。宛先(サーバー側)のポートは固定ですが(Webなら443)、送信元(クライアント側)のポートは、接続のたびにOSが空いている番号を一時的に割り当てます。これをエフェメラルポート(動的ポート)と呼び、通信が終わると解放されます。「行きの宛先は443固定、でも自分の送信元ポートは毎回変わる」というわけです。

接続を見分ける「ソケット」— 4つ組

では、1台のPCから同じサイト(同じIP・同じ443番)へ同時に何本も接続したら、応答はどう区別されるのでしょう? 答えがソケットです。1つの接続は、次の4つの組(+プロトコル)で一意に識別されます。

宛先が同じ 203.0.113.5:443 でも、送信元ポートで別接続と分かる 接続① タブA 送信元 198.51.100.20:51001 ⇄ 宛先 203.0.113.5:443 接続② タブB 送信元 198.51.100.20:51002 ⇄ 宛先 203.0.113.5:443 宛先IP・宛先ポートは同じでも、送信元ポート(51001 と 51002)が違う → OSは別の接続として区別できる。だからタブを何個開いても混線しない
図2: 接続は「送信元IP・送信元ポート・宛先IP・宛先ポート(+TCP/UDP)」の組(ソケット)で識別される

宛先が同じでも、送信元ポートが違えば別の接続。だからブラウザで同じサイトのタブを何個開いても、どの応答がどのタブのものか取り違えません。実際に送るたびに送信元ポートが変わる様子は ポート番号の可視化 で見られます。

TCPとUDP、そしてNAPTとの関係

ポート番号はトランスポート層(TCP・UDP)のヘッダに入ります。TCPの80番とUDPの80番は別物で、独立して管理されます。だから接続の識別には、IP・ポートに加えてプロトコル(TCPかUDPか)も含めます。また、家庭や会社で1つのグローバルIPを多数の端末で共有できるのは、NAPT(IPマスカレード)がポート番号を付け替えて各端末を見分けているからです。この仕組みは NATの可視化 で確認できます。TCPの接続確立(3ウェイハンドシェイク)は TCPコネクションの可視化 を見てください。

基本情報技術者試験ではこう出る

「ポート番号は何を識別するか(→アプリケーション/サービス)」「HTTP=80、HTTPS=443、SSH=22、DNS=53、SMTP=25 の対応」「IPアドレスとポート番号の組で通信相手を特定する(ソケット)」「ポート番号は何ビットか(→16ビット、0〜65535)」が頻出です。ポート番号がトランスポート層(TCP/UDP)のものである点、NAPTがポート番号で端末を見分ける点もよく問われます。

よくある質問

Q. 使用中のポートを確認するには?
A. Windowsなら netstat -ano | findstr LISTENING で待ち受け中のポートとプロセスID、PowerShellの Get-NetTCPConnection -State Listen でも一覧できます。Linuxは sudo ss -tulnp です。相手のポートに接続できるかは Test-NetConnection -ComputerName 相手 -Port 番号 で確認します(確認方法)。

Q. ポート番号はいくつまで?
A. 16ビットなので 0〜65535 です。0〜1023がウェルノウン、1024〜49151が登録済み、49152〜65535が動的(エフェメラル)ポートです。

Q. なぜ「:80」や「:443」を省略できるの?
A. ブラウザが「httpなら80、httpsなら443」と知っているためです。http://example.com は example.com:80、https://example.com は example.com:443 を意味します。標準以外のポートで動かすときは example.com:8080 のように明示します。

Q. 「ポートが開いている/閉じている」とは?
A. そのポートでサービスが待ち受けているかということです。待ち受けていれば接続でき(開いている)、いなければ拒否されます(閉じている)。使わないポートを開けっぱなしにすると攻撃の入口になるため、ファイアウォールで不要なポートを閉じるのが基本です(ネットワークセキュリティの基礎参照)。

まとめ

ポート番号は、1台のコンピュータの中で「どのサービスに届けるか」を表す番号(0〜65535)。IP=住所、ポート=部屋番号です。宛先はIP:ポートで指定、主要サービスはウェルノウンポート(80/443/22/53…)、送信元ポートは毎回変わるエフェメラルポート、接続はソケット(4つ組)で識別——これらを押さえれば、通信の宛先の考え方がクリアになります。可視化で送るたびの動きを確かめておきましょう。

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