サブネットマスクの計算をやさしく解説 — /24とは?ネットワーク部とホスト部を図解

公開: 2026年6月 カテゴリ: ネットワーク入門

/24 って何?」「利用可能なホスト数の求め方が覚えられない」——サブネットは、ビットで考えると一気にスッキリします。この記事では、サブネットマスクの意味から、ネットワークアドレス・ブロードキャスト・ホスト数の求め方までを、図と手順で解説します。

IPアドレスは「ネットワーク部」と「ホスト部」に分かれる

IPアドレスは32ビット。これを前半の「ネットワーク部」後半の「ホスト部」に区切って使います。ネットワーク部は「どのネットワークか(町名)」、ホスト部は「その中のどの機器か(番地)」を表します。どこで区切るかを示すのがサブネットマスクです。

192.168.1.10 を2進数で見る(32ビット) 10進数 192168110 ... 2進数 11000000 10101000 00000001 00001010 ... /24 の境界 ネットワーク部(先頭24ビット) ホスト部(8ビット) 「/24」=左から数えて24個ぶんがネットワーク部。残りの8ビットがホスト部
図1: 192.168.1.10 を2進数で。左24ビット(青)がネットワーク部、右8ビット(緑)がホスト部

プレフィックス長(/24など)の意味

/24 の数字は、ネットワーク部のビット数です。サブネットマスク 255.255.255.0 を2進数にすると 11111111.11111111.11111111.00000000——1が24個並んでいます。だから /24。この「1の個数」がそのままプレフィックス長です。

プレフィックスサブネットマスクホスト部アドレス総数
/24255.255.255.08ビット256
/25255.255.255.1287ビット128
/26255.255.255.1926ビット64
/27255.255.255.2245ビット32

ポイント:プレフィックスを1増やすと、ホスト部が1ビット減り、アドレス総数は半分になります。

ネットワークアドレスは「IP AND マスク」で求まる

コンピュータは、IPアドレスとサブネットマスクのビットごとのAND演算でネットワークアドレスを計算します。ANDは「両方が1のときだけ1」。マスクが1のビット(ネットワーク部)はIPの値がそのまま残り、マスクが0のビット(ホスト部)は必ず0になります。つまりホスト部を0でリセットしたものがネットワークアドレスです。

AND演算でネットワークアドレスを求める IP 11000000.10101000.00000001.00001010 192.168.1.10 マスク /24 AND 11111111.11111111.11111111.00000000 255.255.255.0 = ネットワーク 11000000.10101000.00000001.00000000 192.168.1.0 ネットワーク部はそのまま、ホスト部(右8ビット)が 0 になった → これがネットワークアドレス
図2: IP AND マスク=ネットワークアドレス。ホスト部のビットが0にそろう

「利用可能なホスト数」の求め方

試験で頻出の計算です。手順はシンプルです。

手順1: ホスト部のビット数 n を数える。 /24 なら 32 − 24 = 8ビット。
手順2: アドレス総数 = 2ⁿ。 8ビットなら 2⁸ = 256個。
手順3: 利用可能ホスト数 = 2ⁿ − 2。 先頭(ネットワークアドレス)と末尾(ブロードキャストアドレス)は機器に割り当てられないので、2を引きます。→ 256 − 2 = 254台

192.168.1.0/24 の使われ方(256個) .0 NW .1 〜 .254(利用可能な254台) 機器に割り当てられる範囲 .255 BC ネットワーク
アドレス ブロード
キャスト
先頭=ネットワークアドレス、末尾=ブロードキャスト。この2つは引くので 256 − 2 = 254台
図3: 先頭と末尾は特別な用途。だから「利用可能ホスト = 2ⁿ − 2」になる

ネットワークアドレスとブロードキャストの求め方

ネットワークアドレスは、ホスト部をすべて0にしたアドレス(そのネットワーク自体を表す)。192.168.1.10/24 なら 192.168.1.0
ブロードキャストアドレスは、ホスト部をすべて1にしたアドレス(そのネットワーク全員宛て)。同じ例なら 192.168.1.255

/24 のようにキリのいい区切りなら暗算できますが、/26 のように途中で区切る場合は「ブロックの大きさ」で考えると速いです。/26 は 2⁶ = 64個ずつのブロックなので、区切りは .0 / .64 / .128 / .192。あるIPがどのブロックに入るかで、ネットワークアドレスが決まります。

なぜ 0 / 64 / 128 / 192 になるのか——これも2進数を見ると一目瞭然です。/26 は先頭26ビットがネットワーク部なので、最後のオクテット(8ビット)の上位2ビットまでがネットワーク側に食い込みます。この2ビットの組み合わせ(00・01・10・11)が、そのまま4つのサブネットの先頭になります。

/26 では「最後のオクテットの上位2ビット」がサブネット番号 最後のオクテット(8ビット)= ss(サブネット2ビット)+ hhhhhh(ホスト6ビット) 00000000 10進で 0 → 1つ目のサブネット .0 01000000 10進で 64 → 2つ目のサブネット .64 10000000 10進で 128 → 3つ目のサブネット .128 11000000 10進で 192 → 4つ目のサブネット .192 上位2ビットで4通り → 64ずつずれた4つのサブネットになる
図4: /26 で最後のオクテットの上位2ビットが 00/01/10/11 → 0/64/128/192 の4サブネットに割れる

🧮 実際に計算・確認するなら:IPとプレフィックスを入れるだけで、ネットワークアドレス・ブロードキャスト・ホスト範囲・利用可能数を即座に出すCIDR計算機があります。また、1つのネットワークが /25 → /26 → /27 と半分ずつ分割されていく様子はサブネット分割の可視化で目で見られます。手順を覚えたら、答え合わせに使ってください。

なぜサブネットに分けるのか

1つの大きなネットワークを小さく区切る(サブネット化する)主な理由は、①部署・用途ごとに分けて管理しやすくする②ブロードキャストの届く範囲を狭めて無駄なトラフィックを減らす③セキュリティ境界を作るためです。たとえば「サーバー用」「社員PC用」「ゲスト用」を別サブネットにすれば、相互のアクセスをルーターやファイアウォールで制御できます。

基本情報技術者試験ではこう出る

192.168.10.0/24/26 で分割したとき、3番目のサブネットのネットワークアドレスは?」といった計算問題が定番です。考え方は、/26 = 64個ずつ4分割 → 0・64・128・192 が各サブネットの先頭なので、3番目は 192.168.10.128/26。「利用可能ホスト数」「サブネットマスクの2進数」もよく問われます。ビットで考える習慣がつくと、この手の問題は一気に得点源になります。基数の変換に不安があれば基数変換ツールで2進数⇄10進数に慣れておくとよいです。

よくある質問

Q. /31 や /32 は使える?
A. /32 は1アドレスだけ(ホスト1台やループバックの指定に使用)。/31 はルーター間のポイントツーポイント接続で、例外的に2アドレスとも使う運用があります(RFC3021)。通常のLANでは /24 前後がよく使われます。

Q. サブネットマスクとプレフィックス、どちらで書けばいい?
A. 意味は同じです。255.255.255.0(マスク表記)と /24(CIDR表記)は同じことを表します。近年はCIDR表記(/24)が主流で、機器の設定でも短く書けて便利です。

まとめ

サブネットは「32ビットをネットワーク部とホスト部に区切る」だけの話です。プレフィックス=ネットワーク部のビット数ホスト部 n ビット → 利用可能 2ⁿ − 2 台——この2つを押さえれば、計算問題も実務も怖くありません。手順を覚えたら、可視化とツールで答え合わせをして定着させましょう。

関連ページ: CIDR計算機サブネット分割の可視化基数変換IPアドレスの仕組み記事一覧